難産と鉗子分娩

いやあ、難産だった。とにかく子宮口全開で下降してきている(St+2)なのに、出てこない。産婦様も疲労感たっぷり。内診してみると、ここへ来て骨盤が狭そう。今までの内診では気にならなかったので、全体の骨盤狭窄というよりは、尾骨のせい。尾骨が前に跳ね上がっている。児の推定体重も、3100g。
全開から2時間。出てこない。しかしNST(心音モニター)では心音パターンは児は元気。むしろ児頭圧迫所見なし。産瘤がもり、もり、もりと大きくなっていく。
焦った私は鉗子分娩にすることにした。スムースにかけて引くっ!!出ない。体中の力をこめて引くっ!出ない。
結局、常勤の先生をお呼びして、私はクリステレルして、先生に引いてもらった。こんなことは初めてだった。私は鉗子分娩に関しては、かなりきれいに出来ると評判だっただけに、傷ついた。結局産道の道筋、方向が特殊だったということと、力が要ったので、一人では引けなかっただろうという結論。確かに、今までの内診からも産道は分かったはずだった。しかし、怖かった。
思ったとおり、今までとは違う引き方をしてみればよかったか、無理やりやらなくてよかったと思うべきか。経験は大切だ。患者様はかなり感動してくれた。「こんなに皆さんに力を尽くしていただいて・・・。」と。何人ものスタッフでがんばってお産にして、子供はかなり元気にないていたからだ。お子さんが何にもなくてよかった。