リスクと向き合い、それでもがんばりたい

患者さんにもいろんなタイプがいる。
・何でも医療スタッフにお任せタイプ
・何でも積極的に病状、治療について聞いてくるタイプ
などなど・・・・




さて、今回は双子の経膣分娩は可能かということ。
一人の頑張り屋さんの患者さんがいました。
双子の妊婦さんで、経膣分娩したいとのことでした。外来で私が診ていたので、担当になることになりました。
さて、時の推定体重も2800gまで大きくなりましたので、お産の方向となりました。





双子の経膣分娩の条件

1.児の体位が二人とも頭位であること
2.他の経膣分娩の条件を満たすこと(児頭骨盤不均衡がない、合併症がない、低身長でない、帝王切開既往がないことなど)




双子の経膣分娩のリスク

1.分娩進行中、微弱陣痛になる可能性
2.1児目の分娩のあと、2児目が骨盤位・横位になる可能性(骨盤位は帝王切開)
3.1児目分娩のあと、続発性微弱陣痛になり、分娩停止になること(帝王切開になる)
4.2児がinter rocking状態になることで分娩停止になる(双子が向き合って、互い違いになって、ロックされた状態になると、一人ずつ下降できない)
5.産後子宮収縮が悪くなり、出血量が増えること。




つまり!!
たとえ1児目がうまく分娩できたとしても、2児目の状態によっては、2児目だけ帝王切開になる可能性があるということである。





リスキー!!!!<(゚ロ゚;)>オーマイガーッ!






でもね、それでも経膣分娩したいって言ってくる患者さんもいる。
私は、好きよ、そういうの。



今日はそのお産に一日付き合った。
結局、陣痛促進剤を投与し、陣痛をつけた状態でのお産となったが、スムーズに1児目がでた!!



2児目は、左手を膣内に挿入したまま、頭を誘導し、陣痛を待って人工破膜!!すぐにお産となった。




大成功!!

本当にすばらしいお産でした☆

お産後患者さんはボー然としていて、「実感がない」とつぶやいていたのは意外でした。
一番うれしくて仕方ないのは私のようでした。