病気の確率を説明するより大事なこと

いつも思うことがある。

病気には、いろんな確率がある。
1.治療の奏効率(効き目の確率)
2.治療の副作用の出る確率
3.未治療で5年後に生きている確率
4.胎児に奇形をもたらす病気とその確率
・・・・・。





まあ、いろいろある。





医師たるもの、それを患者に分かりやすく説明しなくてはならない。
いまどき、インフォームドコンセントを知らないヒトはいない。
ふぁっふぁっふぁ。←笑ったつもり。






ちゃんと病状、治療方法などを説明し、同意を頂いて治療を行うことである。
大きく解釈して、患者の選択権を尊重することだ。
「大丈夫」、「絶対何もない」、「(病気は)必ず良くなる」というようなその場しのぎの言葉は慎むべきなのである。





このあいだ、患者さんが来た。赤ちゃんが出来たそうな。
しかぁーーーーし!!
あろうことか、赤ちゃんがちょうど受精した頃から妊娠判明まで薬を飲んでいたのだ・・・。
く・す・り!!



はうあっ!(」゚⊿゚)」






なーんちゃって、あんまり赤ちゃんに影響無いものばっかり。
でも、ひとつだけ、影響するかもしれないものがあって、その話をしなければならなかったのだ・・・。






あたし:「この薬は、赤ちゃんに影響する場合があります。まだ新しいお薬で赤ちゃんへの影響が確立されていないので、奇形については保証できないんですよ。確立としては非常に低いと思います。」






患者さん:「え・・・・・・・・。」






あたし:「ただし、他に飲んでいたお薬や、数枚のレントゲンは問題ありません。」







患者さん:「・・・・・・・。」






あたし:「奇形などの確率は低いですけど、こういう問題(生むか生まないか)は、非常に大切な問題なので、ご家族でよく相談して、次回の診察のときまでに決めてきてください。」






患者さん:「はい・・・・・・・。(|||。 。)ありがとうございました。」









でもそこで一言、
患者さん:「・・・・・・・、せんせい、・・・・・先生だったら生みますか?」






そこは、医者としての守るべきところを忘れて・・・。
あたし:「はい、わたしなら生みますよ。(o^ー^o)」


と言ってあげました。あまりシビアに説明したつもりではないのに、かなり悩んでいたのであろう・・・、患者さんは涙ぐんで喜んでいました。




ムンテラ(患者さんへの口頭での説明)は難しいです。あくまで患者さんに話しているのですから、お友達や、家族に話すのとは別にしなければなりません。
ある程度厳しく、ある程度クールにやろうと思っています。







でも、確率の話ばかりでなく、もう少し、私の経験や印象でものを言ってもいいのかもしれない・・・と思った日でありました。